shapelism  花田設計事務所

秋田市の有限会社花田設計事務所が日常や「ものづくり」の記録をしています。

昨日ホワイトベースのクライアントが来社。遅まきながら竣工写真と8月に使用した写真パネルをプレゼント。

額装して飾ってくれるそうで非常に嬉しく思いました。

彼らは非常にセンスの良いご家族でともすれば自分達でだって住宅をプロデュース出来たのではないかと思っていたのですが実際は抽象的なイメージを伝えるだけでほぼお任せだったのが印象的でした。

…まぁ基本センスが良いと我々が感じる人は大抵こんな感じなんですが(毒


自分達も技術に溺れ、自惚れるとロクなことにならないのは良く分かりますし、餅は餅屋。相手に対してのリスペクトは疎かにしないように気をつけています。
それが成功への近道であることはコレだけ生きていれば痛いほど分かります。

リスペクトを受けて仕事で返ってこない方もいますがそういう方には次が無い。人としてってヤツです。

コレだけ守っているだけで良い仕事や人が集まる。と頑なに信じていますが、まぁ大体正解。


とにかくご自分達の家を愛しそうに語り、私達に感謝の言葉を重ねてくださるご夫婦に癒されました。こちらこそありがとうございました。


建築は面の塊でデザインは線の塊です。私達の仕事はもちろん過ごしやすい間取りの提供な訳ですが、同時にその面と線の適正化と整理が重要です。

デザインディレクションをしていて我々が現場での変更を嫌うのは面倒とかそんなの以前に変更によって生ずる面と線が散らかるからなんですね。

実は散らかって困るのはクライアント自身ですからその辺に気がつかない方の場合、散らかったまま現場は進みます。時間が許せば再度整理するわけですが大抵そんな事は許されない。建築はビジネスですから我々だけの問題ではありませんし、そこで生ずる時間のロスは最後クライアントのサイフを直撃するわけです。

この辺の塩梅を感覚的に理解してくれている人は結果として良いモノを手に入れる訳です。そんな説明をしかけて止めました。感覚的に完全に理解しているのが伝わったから…流石です。



現在工事中の川尻の住宅でも似たようなことがありました。実施設計が終了してからVEに伴う小変更に我々はプランを変更する提案をしました。もともとの設計を捨てなければ整理のつかない線があったからです。

それが如何にダメな線なのかをご理解いただき、終わっていた設計をやり直しました。

事務所の経済性を考えれば考えられませんがクライアントとの信頼関係と互いのリスペクト。あと我々の意地w
何と言っても物理的な時間。工期を一ヶ月延長することで実現した離れ業ですがただ止めたり減らしたりでは絶対に手に入らない良さを建物は放っています。

最近いろいろな方とお話して感じるのは家はますます家電的な買い物に成り下がり、販売のマーケティングと手法だけが鋭敏化して業者にとって都合良く、建て主にとって息が詰まるモノになって来ているなと…故に建て主も業者に高圧的になっていくというスパイラルにいるようです。
勘違いしてはならないのは家は大きく、大抵30年位は使う道具でもある。ということです。
この違いの不理解が失敗を産む。これも間違いないですし、避けようもないですね。

国の住宅政策の根本がやはり違う。私達はそこに抗うことで結果を出している。

まぁ弊社の話はともかく、やはり建て主の姿勢次第だな。と強く思う今日このごろ。


それではまた…














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