shapelism  花田設計事務所

秋田市の有限会社花田設計事務所が日常や「ものづくり」の記録をしています。

地震から3週間。事態は一向に進展せず。何をするにも前を向くのがはばかられる・・・いや正確には何かに邪魔されている気がする。

勿体つけるのは止めよう。自分の精神に。である。超えられなかった。

仕事は止める訳にはいかない。私達の仕事を楽しみにしているクライアントの期待に応えたい。プランニングが続くもの。作図が続くもの・・・気が遠くなる程の金額調整が続くもの。建材の動きが鈍化しストップし、最近また稼動し始めた現場。まぁイロイロある。

秋田は皮肉にも物流の拠点になっているのでガソリン事情なんかも早晩回復した。どこかに向う時、多少時間に余裕を見て自分達が手掛けた建築の無事を確認して安心する。

停電が解消してすぐクライアント達にはメールで一斉に連絡をした気がするのだけれど果たして全員に送れたのか?なんだか疑問。
因みに今日になって無事だと他の人から聞いていた宮城のビジネスパートナーにようやく電話した。無事でよかったw

なにやら記憶が部分的に飛んでいるらしい。(まぁ妻曰く「そんなの今に始まった事じゃない」そうなのだがw)


自身の被災(秋田は被災地ではない)がトリガーではない。一瞬にして街が失われると言う惨劇をメディアを通して見てしまったからだろう。こんな事で自分が町並みがある事や建築が好きだと言う事を改めて知るのは何たる皮肉・・・そしてそれが映像を伴って失われていく様にこれほどの衝撃を受けると言うのはまったくのまさに!想定外だった。

テレビを通した情報は巧みなフィルター効果があるだろうし現実はもっともっとすさまじい事になっているのは容易に想像が付く。



幸い弊社の設計した建築にはさしたる問題は生じていない。もっともそんなの当たり前なんである。何故ってそんな設計だから!(子供か?)だけれどもあの津波に襲われたならば・・・

耐震化について様々な活動をしてきていたし物件を通して耐震とは何なのか(もちろん技術的なものではない)と言う部分に何か光すら見えていた気もしていた。そんなのが全然意味を成さない無力さ。



これが被災地からの距離ゆえに感じている余裕的なものだと言う自覚もある。リアリティの無さも承知している。被災地の皆さんには申し訳ないような後ろめたいような気持ちでいる。甘えている場合じゃない。

東北を終わらせない為にも無事だった私達は被災地の分まで稼いでナンボなんだろう。経済ってそんなバケモノなのも良く知っている。

被災者の皆さんには言えないが自分達は彼らの分もがんばらなければならない。社会のために。



以前のように歩くのにはもう少し時間が必要なのかもしれない。私達は良い建物を創る事以外は出来ないのだからまずはそれに自分を奮い立たせ向うのみである。結果が伴えば良い。屁理屈を言う暇なんか無い。

ようやく止まった時計を動かしていこうと思っている。



因みに原発の件は早いうちから武田邦彦さんのブログが最適な参考書になっている。情報開示をモットーとしている私的には武田さんのスタンスが心地良い。

もはや政府も東電も信頼のおける機関ではない。情報開示能力がこれほど無いとは思いもしなかった。しかしそれも良い。事が沈静化、もしくは悪い結果に至った時でも本当の意味での新しい世界を創っていけば良いと思っている。正直モノが馬鹿を見る世の中は自分達の子供の代に残すべきでは無い。それだけの事。

不安に感じている人はご一読いただきたいと思う。




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