先日内覧会を行った川尻の住宅の一枚。たくさんの方に御見学いただいて感謝申し上げます。
都市回帰の進みを肌で感じるだけに狭小地(でもないですが)に有効に建てられた住宅のあり方に御賛同いただけた方が多数いらっしゃったのが印象的でした。あとはやはり増税が目の前だけに真剣に検討いただいている方が多かった様にも感じました。
普段「建てたい時が建て時」と公言してはばからないハナダ夫婦ですが真剣に御検討いただくのは大歓迎な訳でこの辺は難しいですね。増税はある種の経済的カンフル剤になり得る?・・・確かにyesだと思いますがどうなんでしょう?設計者の手、施工者の手・・・恐らくはこのまま9月に向けて過熱していく状況に多少の冷や水を掛けたくなるのは私だけでしょうか?
以前にも書きましたが職人数の減少は絶対値として進んできています。技術の質も同様です。ここに来て増税ベースの大量需要・・・創る物に影響が出るのもまた確実な訳です。
弊社でも担当物件の絞込みは行っています。さらに施工者の確保は質の確保に直結しますのでかなりシビアに気を配っています。建てるモノは自分も含め業者にとって確かに仕事のひとつでしかありませんがクライアントにとっては一生を賭して創るモノ。
大量需要があるから「こなす」という熱量ではその思いに応えられる訳も無いと考える訳です。
今日お尋ねいただいたクライアントの父上(広い意味での同業者の方)に聞かれました。
「今年増税に併せて建てるのが正解か?」
・・・・現在お声掛けいただいている案件に関してはさほど問題はない体制で向かえると考えている。とお答えしました。もちろん周到に準備もしています。個人的には増税は3回目の経験ですしね。
何故こんな質問が出るかと言うと恐らくは以前の増税時に建築シーンで何が起こったかを体感も含め、よく御存知だからでした。
来年4月に消費税は10%になりますが住宅減税措置も絶対に施されます。増税実施後には市場が必ず冷えますのでそこでの需要創出策というのは増税とセットで考えられています。これは国の運営上の話。国も大きな経済体ですから血脈を止める訳にはいきません。
個人の経済と市場経済が必ずともリンクしないのはこの様な部分が正しく理解されていないからなんでしょうね。
ラッシュに併せて慌てて間に合わせると結局需要と供給のバランスが崩れて材料単価にも施工価格にも反映されます。
消費税は安くても市場価格が上昇すれば意味は無い。というか3,000万の住宅で生ずる消費税の差は僅か(異論もあるでしょうが)60万。ラッシュ時の工事金額の上昇は・・・・という感じです。
こんな時だからこそ改めて言いたいのは「建てたい時が建て時」なんです。
消費税増税がその決断を後押しし、良い住まいを持つ。と言う結果に繋がるのは本当に素晴らしい。まさに増税と建て時がリンクするわけですから・・・本当の意味でお得なんじゃないでしょうか?
今もろもろの問題が足枷になって停滞して悩まれている方がいらっしゃるとすれば勇気を持って時期を待つ。と言うのも「あり!」ですし大切なように思います。・・・経験上ですが。
住み手主体の良い家創りをしたいのであれば尚更のことです。
川尻の住宅はクライアントにとって紆余曲折の7年間だったそうです。私達と知り合ってからはトントンと1年半。万感の思いを込めて現在最終の外構工事中です。
・・・嘘くさく聞こえるかもしれませんがハマる所にハマれば進む。もっと嘘くさく聞こえるでしょうが上手くハマっているかどうかも透けて見えるのが私達の職能です。
実はやさしく背中を押すのが一番デリケートで重要な私達の仕事でもあるんです。そっと押すのに増税なんかを振りかざしちゃ押す力が強すぎる(笑
・・・・本心です。
それではまた・・・
もっとも増税は再延期なり凍結なりされそうですが・・・・民主主義w
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